【コラム】知っておきたいルール解説(タイムアウト・選手交代・チャレンジ)
10月12日(土)よりV1女子が開幕し、V1男子も来週末10月26日(土)に開幕を迎えます。
ワールドカップバレーボールでの日本代表の健闘に心を動かされ、「Vリーグにも行ってみよう!」という方が
いらっしゃったら嬉しいです。
そんな皆さんに、バレーボール観戦の基本となる試合のルールについてご紹介いたします。
今回お伝えするのは、「タイムアウト」「選手交代」「チャレンジ」の3つ。
試合の流れを左右する重要なポイントになるので、"ツウ"への第一歩としてぜひチェックしてみて下さい。
会場で観戦される方も、DAZNやV.TVで視聴される方も、試合の流れをマスターしVリーグを存分にお楽しみください!
<TIME OUT ~タイムアウトではここに注目!~>
試合が中断されるタイムアウトには
・チームが要求するタイムアウト
・テクニカルタイムアウト の2種類があります。
両チームはそれぞれ1セットあたり2回のタイムアウトを要求することができます。
1回のタイムアウトは30秒です。2回のタイムアウトを使いきらなかった場合でも
次のセットに回数を持ち越すことはできません。
チームがタイムアウトを要求する際は、監督がブザーを鳴らし、レフェリーに対して
両手で「TIME OUT」の「T」の字を示します。
テクニカルタイムアウトは、リードするチームの得点に応じて自動的に与えられるタイムアウトです。
第1セットから4セットまでは、リードするチームが8点目に達したときにファーストテクニカル
タイムアウト、16点目に達したときにセカンドテクニカルタイムアウトが与えられます。
テクニカルタイムアウトの時間は60秒間です。最終第5セットはテクニカルタイムアウトがありませんが、
リードしているチームが8点目に達したときにコートチェンジが行われます。
タイムアウトは単に選手を休憩させるだけでなく、監督やコーチから細かい指示が与えられたり、
選手同士でプレーの確認をしたり、その後の1点を奪うための重要な時間です。
監督やコーチの指示には、リアルタイムで報告されるアナリストからのデータも活用されています。
相手に連続得点を許したときなど、ピンチの場面でタイムアウトを取ることが多いですが、
試合の流れを止めて、相手の勢いをリセットさせようという意図もあるのでしょう。
チームベンチの近くで観戦すると、タイムアウト中の指示や選手同士の声掛けが聞こえることもあります。
また、DAZNの中継ではタイムアウト中の様子も放送されています。
チームが状況をどのように捉え、どのような会話がされているのかがよくわかります。
試合が動いているときだけでなく、タイムアウトからも目が離せません。
<SUBSTITUTION ~選手交代で流れを呼び込め!~>
選手の交代は1セットあたり6回まで認められています。
スターティングプレーヤーとして試合に出ていた選手は、
交代によりベンチに下がった後、同一セットの間に1回だけコートに戻ることができます。
この場合は、自分と交代して入った選手としか交代できず
回数は2回(ベンチに下がる際に1回、コートに戻る際に1回)とカウントされます。
なお、リベロとの交代は選手交代の回数にはカウントされません。
スターティングプレーヤーの調子が悪いときに選手交代は行われますが、
以下のようにチームの戦術として用いられるケースもあります。
どのような場面で、どのような選手交代が行われるかも注目ポイントです。
・リリーフサーバーの起用
自チームのサーブの際に、サーブの得意な選手を投入する交代。
劣勢で流れを変えたいときや、リードを広げたいときなど
ここぞという場面で使われます。サーブを打つだけでなく
打った後のディフェンスも、リリーフサーバーの役割の一つです。
・ワンポイントブロッカーの起用
ブレイク(※)したい場面で、ブロックの得意な選手を一時的に投入する交代。
前衛にいる身長の低い選手や、ブロックの苦手な選手に代えて起用することで
ブロック力を強化することを目的としています。
セッターとワンポイントブロッカーが交代することもあり、
ラリーが続いたときに誰がトスを上げるかというところも見どころの一つです。
※ブレイク:サーブ権のあるチームが得点すること
・リリーフレシーバーの起用
守備を固めてリードを守りたいときや追い上げを図りたいときに、レシーブの得意な選手を投入する交代。実際には、上記のリリーフサーバーを
兼ねることが多いです。ただし、リリーフレシーバーとしてスパイクを打たない選手を投入すると、バックアタックの選択肢を減らしてしまう
というデメリットもあります。
・二枚替え
2人の選手を同時に交代することを言いますが、多くの場合は
前衛に上がってきたセッターと控えのアタッカーを、サーブに回ったアタッカーと控えのセッターを交代します。
これにより、前衛に3人のアタッカーを揃えることができます。ローテーションが3つ回ると、元の選手を戻すために
再び二枚替えを行うことが大半なので、選手交代を4回使用してしまうというデメリットもあります。
「自分が監督だったらこうするな~」と考えながら見るのもツウへの第1歩!一緒に観戦している人と話しながら見るのもオススメです。
<CHALLENGE ~チャレンジが今シーズンから新システムに!~>
2016-17シーズンより、DIVISION1では独自のビデオ判定システムを用いた
チャレンジを採用していましたが、今シーズンよりFIVB(世界バレーボール連盟)の
公式戦や世界各国のリーグなど、90ヵ国以上、20種類以上のスポーツで実績がある
ホークアイ社のシステムを採用します。
下記の項目の判定に疑義があるとき、監督はチャレンジの要求をすることができます。
チャレンジの権利は1試合あたり3回で、成功すると回数は減少せず、
失敗すると回数が1回減少します。
2019-20シーズンから、タッチネットが判定項目に追加されました。
・チャレンジの項目
映像の確認中は、コート上の選手も、チームベンチも、観客席の皆さんもドキドキする時間です。
チャレンジの結果によって、試合の展開を大きく左右する可能性もあります。
チャレンジの存在も、試合の楽しみの一つと言えます。
今回は、試合観戦に欠かせない「タイムアウト」「選手交代」「チャレンジ」の3つのルールをご紹介しました。
プレーだけでなく、試合の流れが止まる場面にも注目して、Vリーグ観戦をお楽しみください!
来週はVリーグ公認アナリストの宮脇裕史さんによる、データコラム
「チーム技術統計データで昨シーズンを振り返る-V1男子編-」をお届けします。お楽しみに!
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2019-20シーズンの大会方式をおさらい
Vリーグ公認アナリストデータコラム:チーム技術統計データで昨シーズンを振り返るーV1女子編ー