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コラム 【堺ブレイザーズ応援団長】なおきさん

  

2016/17シーズン、この人に注目!
 バレーボール会場でひときわ響く、スタンドからの声。V・プレミアリーグの会場では堺ブレイザーズ(以下堺BZ)の応援団長として、そして昨秋のワールドカップ、今春のオリンピック世界最終予選(OQT)やワールドリーグでは日本チームを盛り上げる応援団として、会場の至るところから声援を送るのが、「なおき」さんだ。

「僕は盛り上げ役。主役は選手ですから。でもね、(OQTの時は)会場で見た方や、テレビでちらっと映った姿を見た人が『あれ誰や、オリンピックおじさんの息子ちゃうか?』って盛り上がったらしくて(笑)。話題にしていただけるだけで嬉しいですね」

 もともと大のバレーボール好きだったというなおきさん。会場にも積極的に足を運び、応援しているうちに仕事を通して、現在の堺部長の中垣内祐一氏と知り合った。ささいなことで生まれた縁は、あれよあれよという間に広がり、堺BZの発足当初からスタンドの最前列に立ち、ブレイザーズに声援を送り続けて来た。

 

 今ではすっかりお馴染みのさまざまな音楽を使った応援パフォーマンスだが、始めたばかりの頃は「バレー会場にふさわしくない」と言われることもあり、悩んだこともあったと言う。

「応援席は、ファンの方々の思いや視線、全部が生でリアルに伝わってくる場所です。楽しみもあれば、怖さもある。でも、そこでどう盛り上げるか、というのは、ものすごくやりがいのあることなんですよ」

 試合に勝っている時はスタンドも盛り上がり、自然に応援する声が出る。だが、相手が好調であったり、自チームの調子が上がらず劣勢の時など、どう盛り上げるか。それこそが、応援団長として、なおきさんが最もやりがいを感じる時であり、腕の見せ所だと言う。
「試合を見て、僕やて『くそー』と思うんですよ。でも絶対にその顔はお客さんには見せない。芸人なんでね、ライブをやることもあって、その時はお客さんの顔は見ないようにしているんですが、応援の時は違う。出来る限り1人1人の顔を見て、目を見て、みなさん一緒に盛り上げましょうよ、と。チケットを買って試合を楽しみに足を運んで下さったお客さんがどれだけ『楽しかった』と思えるか。どんな状況でも自分が発する声で会場の雰囲気を変えたい、と思ってやっているし、常に応援のプロでありたい、とは思いますね」

 

 会場を盛り上げることと共に、なおきさんが常に心掛けているというのが、会場では空気のように選手や関係者とは一定の距離を持って接し、スタンドで応援する際もインプレー中はお客さんの邪魔にならないように。細かなことへの配慮を怠らない。

 まさにサポート役に徹するその姿勢は、堺BZ時代から交流がある眞鍋政義全日本女子監督からも高く評価され、昨秋のワールドカップでの応援団長就任は眞鍋監督の「なおきさん、盛り上げてよ…」という一言から始まった。 男子のVリーグファンからすれば体育館でいつも盛り上げてくれる応援団長、という認識はあるが、女子のファンに受け入れられるのか、実は迷いや不安もあったと言う。だが、全日本だから、といって特別仕様にするのではなく、常に「堺BZの応援団長、なおきです!」と名乗り、Vリーグで15年間やり続けてきたように、選手や試合や観客を大切に、同じ瞬間を盛り上げる。その姿勢は「OQTで初めてなおきさんを見た」という観客からも高い支持を受け、セット間やタイムアウトの応援時、会場にはいつも笑顔が溢れ、大きな「ニッポン」コールが響く。 それこそが、一番の喜びだとなおきさんは言う。

 

「自分が盛り上げたぞ、なんて大それたことは思いません。でも、責任感はある。みんなに楽しんでほしい、来てよかった、と思ってほしい。それを僕に教えてくれたのは堺BZだから、これからもブレイザーズは僕の原点なんですよ」

 芸人として舞台に立つ際に万全の準備をするように、新たなシーズンを迎える前にはどうやって盛り上げようか、新たな応援スタイルはないか、試行錯誤して、出来る限りの準備をする。

 

 最高の空間を、そこにいるみんなで演出するために。応援団長は、今シーズンもスタンドから熱い声援を送り続ける。

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