コラム
【コラム】FIVB世界クラブ女子2017展望~NECと久光製薬が”世界”と対峙!
世界のスター選手が一堂に会する夢の舞台、FIVB世界クラブ女子選手権が、初めて日本で開催される。5月9日から14日まで、グリーンアリーナ神戸に強豪8チームが集結し、世界一を決する熱い戦いが繰り広げられる。日本からもNECレッドロケッツ、久光製薬スプリングスの2チームが出場。今年のV・プレミアリーグで熾烈な優勝争いを繰り広げた2チームが、世界に挑む。
過去3年連続で世界クラブ選手権に出場している久光製薬の石井優希は、「各国の名選手たちが一つのチームに集まっているので、代表の大会よりもレベルの高い試合になる」と語っていたが、出場選手の顔ぶれを見れば、その言葉にもうなずける。
まずは欧州チャンピオンズリーグを制したトルコのワクフバンク・イスタンブール。今年引退した東レアローズの木村沙織が2012/13シーズンに所属したチームでもある。そのメンバーの顔ぶれは、まさに世界選抜と言っていい。まず、昨年のリオデジャネイロ五輪で中国を金メダルに導いた若きエース、朱婷が、初めての海外移籍先に選んだのがワクフバンクだった。そして、その対角を務めるのが、リオ五輪銅メダルのアメリカ代表エース、キンバリー・ヒル。オポジットには、リオ五輪4位のオランダ代表ロンネケ・スローティエスという豪華な攻撃陣が揃う。
写真:FIVB
写真:FIVB
そのワクフバンクに劣らない陣容を整えているのが、ワイルドカードで出場するトルコのエジザジュバシュ・イスタンブール。こちらはロシアの大エース、タチアナ・コシェレワや、アメリカ代表ジョーダン・ラーソン、リオ五輪銀メダルのセルビア代表オポジット、ティヤナ・ボシュコビッチといった強力アタッカー陣を、セルビア代表のベテラン司令塔、マーヤ・オグニェノビッチが操る。
写真:FIVB
豪華なのは選手だけではない。ワクフバンクのジョバンニ・グイデッティ監督は、オランダ代表を急成長させてリオ五輪ベスト4に引き上げた手腕の持ち主。そして何より注目は、南米クラブ選手権を制したブラジル、レクソナのベルナルド・レゼンデ監督だ。ブラジル男子代表の黄金時代を築き、二度、五輪金メダルに導いた名将である。リオ五輪金メダルを最後に代表監督は退いたが、レクソナの監督は継続。女子のクラブチームでどのような采配を振るうのか注目される。
ビッグネームについ圧倒されそうだが、15年大会で久光製薬がエジザジュバシュに勝利したように、日本チームにも勝機はある。久光製薬の長岡望悠は、世界に勝つために必要なものを「組織力と緻密さ」だと語っていた。代表チームよりも長い期間をかけてじっくりと組織を練り上げることができるVリーグのチームだからこそ実現できるバレーで、どのように“世界選抜”に立ち向かうのか、注目だ。