【レポート】パナソニックパンサーズが4年ぶり5回目の優勝!!~V・ファイナルステージ 男子 ファイナル東京大会(3/18)
2017/18V・プレミアリーグ男子 V・ファイナルステージは3月18日(日)、東京体育館にてファイナル東京大会(ファイナル2日目)が開催されました。
フルセットまでもつれる熱戦の末、パナソニックパンサーズが連勝で豊田合成トレフェルサを破り、4年ぶり5回目の優勝を果たしました。
<V・プレミアリーグ男子 ファイナル東京大会>
パナソニックパンサーズ 3(19-25・25-16・24-26・26-24・15-13)2 豊田合成トレフェルサ
男子ファイナル東京大会は、V・レギュラーラウンド、ファイナル6ともに1位のパナソニックパンサーズと、ファイナル3をゴールデンセットにもつれる死闘の末に制した豊田合成トレフェルサの対戦となりました。
第1セット、パナソニックパンサーズはミハウ,クビアク、一方のイゴール, オムルチェンを欠く豊田合成トレフェルサは頼みの高松卓矢と、互いの得点源二人のアタックが決まらず、重い立ち上がり。ここから豊田合成は山田脩造が連続でアタックを決めて流れをつかむと、精度の高いサーブレシーブがリズムを生み、高松のアタックも決まって主導権を握ります。パナソニックは一時キャプテン深津英臣を下げるなど、打開を試みますが、サーブレシーブ成功率が伸び悩み、アタッカーに繋げず、第1セットは25-19で豊田合成が先取しました。
第2セット、パナソニックは今村貴彦のアタックで先制すると、第1セットで好調だった豊田合成の高松、山田を4連続でブロックし、一気にリード。クビアクが軟打を織り交ぜ、豊田合成に的を絞らせません。豊田合成は前田一誠を一時下げ、高松も軟打を見せて巻き返しを図りますが、パナソニックは長いラリーをチーム一丸で粘ってものにし、福澤達哉のバックアタック、白澤健児のクイックなど多彩な攻撃で押し切り、25-16で取り返しました。
セットカウント1-1のタイで迎えた第3セット、豊田合成は傳田亮太や高松のアタックが決まりますが、サーブミスや、アタックがアウトになるなど、ミスが出て先行できず。その間にパナソニックは福澤のアタック、ブロックで13-8と先行します。流れを変えたい豊田合成は、立て続けにタイムアウトを取り、山田に代えて椿山竜介を投入。エースクビアクが強打、軟打を打ち分けるパナソニックに対し、高松、椿山の得点で盛り返します。そして、白岩直也のサービスエースで22-22と追いつくと、24-24のデュースから高松が連続アタックを決め、26-24でセットカウント2-1と先行しました。
第4セット、パナソニックは出だしからサーブミスが続いて先行できず、一方の豊田合成は好調高松、そして傳田、椿山にも得点が続き、13-10とリードします。ここでパナソニックは、この日が23歳の誕生日となる久原翼を投入。すると、その久原のアタック、さらに山内晶大のブロックも決まり、流れを変えて一進一退の展開に持ち込みます。互いのアタッカー陣が譲らず、迎えた24-24のデュースから、パナソニックは今村、クビアクが決め、26-24でこのセットを奪い、フルセットに持ち込みました。
勝負の第5セット、パナソニックはスタートから起用された久原が好調を維持し、さらに高松を3枚ブロックで止めて10-6と先行。しかし、豊田合成もその高松がアタックを決め返し、さらに連続サービスエースも奪い、12-12と追いつきます。得意のゴールデンセット突入も見えてきましたが、ここで高松のサーブがミスとなると、パナソニックは途中出場の池田政之、そして最後は福澤が決め、15-13でフルセットの熱戦を制し、先週の名古屋大会と合わせて2連勝で、4年ぶり5回目の優勝を果たしました。
試合後コメント
■パナソニックパンサーズ
・川村慎二監督
「今シーズン、最後に全員でここまで来ることができて本当にうれしいです。故障者も出ましたが、誰が出ても勝てるチームを目指して今シーズン戦ってきました。今日も互いに苦しい試合でしたが、フルセットまでもつれる展開の中で、選手一人ひとりが力を出してくれて、誰が出ても勝てるというのを示してくれたと思います。
ただ、まだまだ課題はあるので、さらなる高みを目指して、これからも戦っていきたいと思います」
・深津英臣選手
「今日は本当に苦しい試合で、自分たちのバレーをなかなかさせてもらえない中で、最後まで仲間を信じて、自分を信じてプレーしたことが勝ちにつながったと思います。若い選手に優勝を味わわせてあげられたのが、彼らが上の世代になった時に絶対に生きると思います。
試合前に清水さん(ケガで欠場した清水邦広選手)からメールをもらって、『俺の分までとか思わずに、自分のために頑張れ』と言ってくれて、目の前の試合に集中できましたし、力になりました」
・福澤達哉選手
「本当にタフなゲームで、自分自身も終盤に足がつってしまいましたが、今村や久原など、若手が頑張ってくれました。チーム全員で戦って、誰が出ても勝てるチームという目標を掲げて、最後にそれがコートで出せたのがうれしいです。練習から若手とベテランが非常にいい練習を積んできたのがコートで出せて、監督、スタッフを含め、チーム一丸でやってきたおかげです。
清水がケガをしまった中で、彼の代わりはいないので、残った選手でどう戦うかだけを考えて戦いました。今日も彼が会場に来て客席で見ていて、それがチームに力を与えてくれましたし、彼の力無しでは優勝はありませんでした。たまたま最後にコート上にいられなかっただけと思っています。ただ、個人的には、やっぱり清水と一緒に戦って、コート上で優勝を味わいたかったです」
・ミハウ, クビアク選手
「勝てたことを本当にうれしく思います。今日の試合によって、悪い状況がおこっても、修正して戦うことができるチームだということが証明できたと思います。難しい状況の中で、互いを信じて戦ったことがこの結果につながりました。皆で勝てたことに価値があります」
・今村貴彦選手
「とても厳しいゲームで、相手の勢いのまれることもあったが、そこで粘って勝つことができたのがうれしいです」
・山内晶大選手
「厳しい試合でしたが、チーム一丸となって勝てました。パナソニックパンサーズに入って初めての優勝で、いい経験をさせてもらいました」
■豊田合成トレフェルサ
・トミー, ティリカイネン監督
「まずは、チャンピオンになったパナソニックにおめでとうと言いたいと思います。
先週の対戦から作戦を変えて臨みました。重要な場面で1点、2点が取れていれば、ここに笑ってくることが来れたかもしれませんが、これがバレーボールです。ただ、最後の1点まで我々は戦い抜くことができました」
・古賀幸一郎選手
「今シーズン、イゴールがいない時期があったり、いろんなことがあった中で、皆でお互いの足りないところを補いながら戦ってきて、最終的にいいチームになれたと思います」
・傳田亮太選手
「素直に悔しいですが、自分たちのやってきたことは間違っていなかったと思いますし、今日もいいプレーもあって、チームとして最後に一つになる試合ができたのはよかったと思います」
・前田一誠選手
「今日の試合前に、『それぞれの持っている力をすべて出そう』と全員で話して臨みました。どちらに転ぶかわからない試合でしたが、勝ちきれなかったいうことを、来年への次の教材、糧にしていきたいと思います」
・高松卓矢選手
「先週の敗戦を踏まえて、そこから改善はできたと思いますが、負けたということは結果としてはそれが足りなかったと思います」