コラム
"V.LEAGUE サマーフェスティバル2018 ~夏祭りから始まるVへの挑戦~
Vリーガーがアツい戦いを繰り広げる夏のビッグイベント「神谷コーポレーション湘南株式会社presents V.LEAGUE サマーフェスティバル2018 inお台場ビーチ」が7月22日(日)、THE ODAIBA 2018内ビーチバレーボール特設会場(東京都江東区)で開催された。試合の間には「新V.LEAGUEオフィシャルソングの発表」「2018-19V.LEAGUE日程発表」「2018-19公式使用球発表」「FIVBワールドツアーのプロモーション」など各種イベントが催され、会場に訪れたファンの視線を集めた。
夏祭りから始まるVへの挑戦――
「Vリーグ・サマーフェスティバル」として産声をあげた同大会は今年で4回目となる。年々、大会の規模は大きくなり、今回は新V.LEAGUE のV.LEAGUE Division1(以下、V1)男子から9チーム、V.LEAGUE Division2(以下、V2)男子から3チームが参加。12チームを4グループに分けた一次リーグを行い、各グループの上位1チームが決勝トーナメントに進出した。
大会形式は2人制ビーチバレーボールマッチ。21点制による1セットマッチで実施された。第1試合は、パナソニックパンサーズ対ジェイテクトSTINGSからスタート。はじめは砂のコートに苦戦しながらも、徐々に本領を発揮する選手たち。ミドルブロッカーがレセプションを行ったり、セッターがスパイクを打ったりするなど、普段は見られないプレーの応酬を繰り広げた。第3試合の豊田合成トレフェルサ対サントリーサンバーズの一戦は、32-30までもつれ込む熱戦。どのチームも練習の成果を披露しようと、驚異の粘りを見せた。
ビーチにセオリーはない。それが自由でいい
一次リーグを終え、決勝トーナメントに進んだのはパナソニックパンサーズ、豊田合成トレフェルサ、富士通カワサキレッドスピリッツ、東京ヴェルディの4チーム。台風の目となったのがV2の東京ヴェルディだ。ペアを組むのは、168cmの浅岡遥太と172cmの宮田航輔。参加チーム中もっとも小柄だが、過去にはJBVサテライトに出場するなど豊富な経験とテクニックを併せ持つ。一次リーグでは大分三好ヴァイセアドラーを21−4で下すなど圧倒的な強さで勝ち上がってきた。
豊田合成との3位決定戦も壮絶な戦いだった。東京ヴェルディは、宮田が強打とショットを打ち分けて着実に加点。10−11でテクニカルタイムアウトを迎えると、浅岡が強打をたたき込んで12−11と逆転に成功する。しかし、経験なら昨シーズンのV・プレミアリーグでファイナルに進んだ豊田合成も負けていない。重村健太のサービスエースなどで4連続得点。15−12とスコアをひっくり返した。
東京ヴェルディもこのまま引き下がるわけにはいかない。浅岡の得点でペースを取り戻すと、宮田のサービスエースなどで18−17と再びリードを奪う。豊田合成はここでタイムアウトを要求し、これで流れが変わった。内山正平のショット、重村の強打で連続得点すると19−19の場面で内山が決めてマッチポイント。最後は相手のミスで豊田合成が熱戦に終止符を打った。
前日を入れて3回ほどしかビーチバレーボールの練習ができなかったという豊田合成。今回が3回目の出場となる重村は「年々、盛り上がりが増しているように感じます。あとは体力との戦いですね」と笑顔。初出場の内山は、「頭でゲームを作れるのがビーチバレーボールの魅力。インドアはセオリーのプレーが多いがビーチは関係ない。それが自由でいいと思います」とビーチバレーボールの魅力を語った。
一方、4位に終わった東京ヴェルディだが、大会の主役に躍り出るかのような戦いぶりを見せた。準決勝と3位決定戦の間の時間がほとんどなく、浅岡は「体力はゼロになりました。背が小さいのでコンビネーションを意識した。ベスト4には残れたので最低限の結果は残せたと思います」と全力を出し切った様子。宮田は「後半になるにつれて体力が落ちて、サイドアウトを切れなくなり、プレーが単調になってしまいました」と悔やんだ。
今回の大会はオーバーハンドパスの基準など6人制競技規則に準ずるルールが採用されており、ビーチバレーボールの経験が豊富な東京ヴェルディにとってはやや不利に働いたようだ。それでも、砂の上での動きは圧巻。体を投げ出してボールに食らいつく姿は、ファンの記憶に残ったに違いない。
相手をよく見て攻撃するのは、インドアでも意識したい
大会のラストを飾ったのが、パナソニックと富士通の決勝戦だ。息詰まる熱戦を披露した。先にペースを握ったのはパナソニック。今村貴彦が軽快な動きで得点を重ねると、久原翼のサービスエースも加えて立ち上がりに5連続得点を奪い、開始早々に8−4と試合の主導権を握った。
富士通は大学時代にぴあCUP(全日本ビーチバレー大学選手権)を制した岩井浩二が存在感を発揮。ビーチバレーボール自体が初めてという柳田百織とともに全力でプレーした。さらに富士通には頼もしい存在がDJブースにいた。インドアの試合でも盛り上げ役として活躍する中川剛だ。“お祭り男”が富士通のユニフォームを着て声援を送り続けたことで、コートの2人の集中力は最後まで途切れなかった。
しかし、パナソニックは勢いにのる今村が強打を次々と決めて、粘る富士通を引き離しにかかる。一時は1点差まで追い上げられたが、終盤の勝負所で久原が意地を見せ、粘り強く得点を重ね、20−16とチャンピオンシップポイント。最後は久原が相手のスパイクをシャットアウトして優勝を決めた。
パナソニックは本来、兒玉康成が出場する予定だったが、ケガにより急遽、久原にバトンタッチ。2人でコンビネーションを合わせる時間がほとんどないまま本番の日を迎えた。それでも、今村を軸に砂塵を巻き上げて躍動した。
表彰式が終わり、今村は「とても疲れたけど、優勝できて嬉しい。最初の試合に勝ったことで勢いに乗り、そこから試合を重ねるごとに成長できた」と語った。また短い時間でビーチバレーボールにフィットした久原は「走るだけで足腰が疲れる。相手をよく見て攻撃しないといけないので、(インドアでも)意識したい。昨シーズンは三冠(天皇杯優勝、V・プレミアリーグ優勝、黒鷲旗優勝)を達成したけど満足している選手はいない。新しいV.LEAGUEも頑張っていきたい」と話し、10月26日に開幕する新V.LEAGUEに目線を向けた。
また、富士通はパナソニックを最後まで追い詰めたが一歩およばず準優勝。ビーチバレーボール経験者の岩井は「いい試合だったけど悔しい。感覚がなくて苦しいところはあったけど、なんとか形になったと思う」と悔しい表情を浮かべた。柳田は「決勝まで行けたことは嬉しかったけど勝ちたかった。外でやるのは開放感があって気持ちがいい。ぜひ来年も参加したい」とリベンジを誓った。
新V.LEAGUEの開幕まで約2ヵ月・・・
強い日差しが降り注ぐ中、好ゲームが続いた。選手たちの高いパフォーマンスが大会のレベルを引き上げた。
表彰式では一般社団法人日本バレーボールリーグ機構・嶋岡健治代表理事会長が、「ぜひ(V.LEAGUEの)会場にも足を運んでいただき、選手たちのプレーを生で見てください。皆さんの応援で新リーグを盛り上げてください」と挨拶し、サマーフェスティバルは盛況のうちに幕を閉じた。新V.LEAGUEの開幕まで約3ヵ月。いよいよVへの挑戦が本格的にスタートする。
強い日差しが降り注ぐ中、好ゲームが続いた。選手たちの高いパフォーマンスが大会のレベルを引き上げた。
表彰式では一般社団法人日本バレーボールリーグ機構・嶋岡健治代表理事会長が、「ぜひ(V.LEAGUEの)会場にも足を運んでいただき、選手たちのプレーを生で見てください。皆さんの応援で新リーグを盛り上げてください」と挨拶し、サマーフェスティバルは盛況のうちに幕を閉じた。新V.LEAGUEの開幕まで約3ヵ月。いよいよVへの挑戦が本格的にスタートする。
■2018-19V.LEAGUEオフィシャルソング発表
第4試合と第5試合の間には、新V.LEAGUEのプロモーションを実施。女性4人組ダンスボーカルユニットの「BananaLemon(バナナレモン)」が登場すると、会場がヒートアップした。2018-19V.LEAGUEのオフィシャルソング『Clap, Smile, Dance!』を初披露。新ロゴが入ったTシャツを着たサマーフェスティバル出場男子選手と、V1の女子選手の計40名が観客と一緒に「バレーボールを意識したという振り付け」で歌とダンスを披露した。
■新V.LEAGUEプロモーション
V.LEAGUEは、株式会社ミカサと2018-19シーズンから3年にわたるパートナーシップ契約を結びました。また今シーズンの公式使用球として、ミカサの「MVA200」を発表。株式会社ミカサの佐伯祐二代表取締役社長から「皆さんに喜んでいただくボールを作ります。皆さんと一緒にV.LEAGUEを盛り上げていきたい」と挨拶がありました。フォトセッションのあとは、2018-19シーズンの女子の日程発表も行われ、女子チームのファーストホームタウンが発表され、参加した各チームの選手からホームタウンの魅力が紹介されました。
■男子出場チームふれあいブース
試合の合間を縫って各チームの男子選手がふれあいブースに登場し、握手やサイン会、写真撮影などファンとの交流を楽しみました。
■応援パフォーマンス ~チアダンス編~
第1試合から第4試合まで、アメリカンフットボール『オール三菱ライオンズ』のチアダンスチームが、笑顔とダンスでコートサイドから試合を盛り上げ、会場に華を添えました。
■応援パフォーマンス ~ジャズ演奏編~
第5試合からはコートの外でプロサックス奏者の『サブ片山氏』がジャズを演奏し、豪華な雰囲気が会場を包み、美しい音色に観客も酔いしれました。
■応援パフォーマンス ~東北4県のお祭りとコラボレーション~
第9試合からは「郡山うねめまつり(福島県)」「大曲の花火(秋田県)」「仙台七夕花火(宮城県)」「ねぶた祭り(青森県)」の東北4県のお祭りとコラボレーションし、各県のお祭り担当者がDJブースから地元の魅力をアピール。花火など東北の祭りの映像がビジョンに流れ、熱戦に花を添えました。
■FIVBワールドツアープロモーション
3年ぶりに日本で開催される「FIVBワールドツアー東京大会」のプロモーションとして、2017年にビーチバレーボールに転向した越川優選手(元サントリーサンバーズ→JTサンダーズ)が登場。「日本での大会は個人的にも初めてです。どの選手にとっても、東京オリンピックに向けてとても大切な大会になります。一戦でもいい試合を皆さんに見ていただきたいし、ホームのチームとしてしっかり結果も残したいです」と話し、大会のPRをしました。
■お台場ナイトクルージング ~WILLER株式会社・特別企画~
サマーフェスティバル終了後には、選手8人とファンの皆様が未来感あふれるスペーシーなデザインの船に乗り、ナイトクルージングへ出かけました。東京湾から眺める夜景を堪能しながら、日常では味わえない空間を共有しました。豊田合成の内山正平選手は、「ファンの皆さんが今日の時間をSNSで拡散してくれたら、今後もこのような機会が増えると思います。とても素敵な時間をありがとうございました」と、会場のファンの皆様に感謝の言葉が送られ大盛況のうちにナイトクルージングは幕を閉じました。