【V2男子】 2019-20シーズンの総括
V2男子 2019-20シーズン総括
11月2日(土)に開幕した2019-20 V.LEAGUE DIVISION2 MEN(V2男子)は、昨今の新型コロナ等感染症対策に伴い、2月29日(土)から3月8日(日)の最終戦までの試合を中止とし、シーズンを打ち切りとすることが決定した。
2月23日(日)試合終了時点での成績によって最終順位が確定となり、富士通カワサキレッドスピリッツが19勝1敗57ポイントで3年連続の優勝を飾った。
今シーズン、富士通は初の3連覇に闘志を燃やしていた。攻撃面では、スパイク賞を受賞した岡村義郎を筆頭に栁田百織、浅野卓雅、加藤大雄らがどこからでも放つ力強いスパイクが強み。そのアタッカー陣の力を最大限に引き出したのが、セッター長谷山拓の安定感抜群のトスワークだった。
守備では、リベロ小林慎平がどんなボールにも食らいつき、粘り強さを発揮。小林はサーブレシーブ成功率72.3%とリーグトップの成績でサーブレシーブ賞を受賞した。さらに会場では、昨シーズン引退した中川剛も応援に駆けつけて盛り上げるなどコート外でもファンを魅了。スローガンである『明るく、楽しく、そして強く』を体現した富士通は、前人未到の4連覇へと突き進む。
V2昇格1年目で富士通に並ぶ19勝1敗をあげたヴォレアスはわずかなポイント差で2位となったものの、富士通にはストレートで勝利するなど実力の高さを十分に感じさせた。主力メンバーの古田史郎や佐々木博秋を中心に勢いのある攻撃的なバレーで得点を重ねると、堅い守りを見せた白石啓丈や新戦力の本澤凌斗、外国籍選手のキサル,ムラートハン、張育陞も勝利に大きく貢献した。ヴォレアスはS1ライセンスを保持しているため3月14日(土)、15日(日)に大阪府堺市で行われるV・チャレンジマッチ(入替戦)への参戦が決定。V1昇格を懸けて、V1・10位のVC長野トライデンツと対戦する。
13勝8敗38ポイントで3位となった埼玉アザレアは、林佑樹や加藤克貴らが攻守で躍動しチームをけん引。さらに、セッターの前田将武は多彩なトスワークで、オポジットの石井和希は前衛後衛関係なく得点を量産し、昨シーズン5位結果を上回る成績の原動力となった。今後のさらなる進化に期待が高まる。
4位は12勝6敗38ポイントでトヨタ自動車サンホークス。吉岡衛や西村駿佑の果敢な攻撃でリーグ中盤では上位に食い込む底力を発揮。さらに、ヴォレアスからV2で唯一白星を上げるなど勝負強さも見られた。しかし、リーグ終盤では一度は勝利した埼玉や、ヴィアティン三重にフルセットで敗戦するなど接戦を勝ちきることができず課題も。来シーズン、どのような姿を見せてくれるのか楽しみだ。
大同特殊鋼レッドスターと三重は勝利数が12で並んだため、ポイント差での順位となった。5位となった大同特殊鋼はサーブ賞を受賞した田中尚や二五田大輔の攻撃を軸に据え、誰が試合に出てもスタイルの変わらないチームづくりに取り組んだ。また、上位チームにフルセットで食らいつく姿勢や、今シーズンは勝敗に関係なく1セット以上とっている試合が20試合中13試合と粘り強さを見せた。
対する6位の三重は、V2昇格1年目でリーグ序盤はなかなか勝つことができず苦戦したものの、中盤以降は4位以下のチームに取りこぼしなく白星を勝ち取り、確実に順位を上げた。中でも野垣昂大の積極果敢なトスワークから展開されるバレーで、上位チームから勝利をあげることが今後さらなる飛躍につながることだろう。そんな三重の戦いぶりはチームもファンも楽しさを感じるものであり、試合を重ねるたびにチームとして成長していく印象を受けた。
10勝11敗で並んだつくばユナイテッドSunGAIAと警視庁フォートファイターズも同様にポイント差での順位となった。7位のつくばはミドルブロッカーの選手層が厚く、奥村航の高さある攻撃を中心にセンターからの攻撃を意識したバレーで健闘した。8位の警視庁は、大野隆一や河西敦司などが高さを生かしたブロック力を発揮。堅実なバレーの中で、ここぞというときに流れを作るキーパーソンが今後は必要となってくるだろう。
9位のきんでんトリニティーブリッツは、若手選手の小林空が得点王に輝いた。また、セッター毛利光生は10シーズン以上、230試合以上出場した選手に贈られるVリーグ栄誉賞を受賞するなど、ベテランと若手の力を合わせて戦い抜いた。
10位の東京ヴェルディは、新戦力の渡辺周馬や蔵田大輝もスピードのあるスパイクで躍動。澤瑞貴や與崎風人は安定感のある攻守でチームをけん引してきたが、昨シーズンの9位から一つ順位を落とす結果に。
2勝17敗と苦戦を強いられた兵庫デルフィーノは11位。力強いプレーでチームをけん引してきたキャプテンの西澤岳や、チーム最多のブロックポイント31得点を上げた田中寛人らが健闘を見せた。
最後に長野GaRonsは、2勝18敗となかなか勝利を掴むことができず最下位。しかし、2シーズン目となる鰐川怜児がブロック賞を受賞するなどしっかりと役目を果たした。
シーズンは打ち切りとなったが、3月14日(土)~15日(日)のV・チャレンジマッチは無観客ではあるものの開催が予定されている。V.TVでの放送に注目だ。
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