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【V1男子】今週のみどころ(12/14-15)

<12/14-15週の見どころ>


2019-20 V.LEAGUE DIVISION1 MEN(V1男子)は、今週末からレギュラーラウンド後半戦に入る。今週末は12月14日に3会場(枚方市、徳島市、別府市)で計5試合、15日に2会場(徳島市、別府市)で計4試合が行われる。今回は後半戦の鍵を握りそうな各チームの外国籍選手に注目したい。

 先週末は、今季のリーグを1敗で引っ張る2チームに順位の変動があった。それまで首位に立っていたパナソニックパンサーズを、2位だったジェイテクトSTINGSがセット率でわずかに上回り、2週間ぶりに首位に立った。

 今シーズンのジェイテクトは補強が見事に成功している。ブルガリア出身で世界的な名選手であるカジースキ,マテイを2年ぶりに呼び戻すと、経験豊富な35歳は期待どおりに、プレーだけでなく精神的にもチームの支柱となっている。効果率1位のサーブは勝負強く、セット終盤まで少々相手にリードされていても、カジースキと効果率2位の西田有志のサーブで逆転できるという余裕をチームに与えている。また、今季アジア枠で新加入した身長210cmの中国代表ミドルブロッカー、饒書涵の存在も大きい。現在アタック決定率(バックアタック含む)1位につけており、ブロックでもフロントローで存在感を放つ。ミドルブロッカーに饒と伏見大和という2メートルを越える選手が揃ったことで、後ろで守るレシーバーはスパイクが抜けてくるコースを限定しやすくなり、ディフェンスも非常に機能し、攻守が噛み合っている。

 


 2位のパナソニックは、昨シーズンまでの2連覇の立役者、クビアク,ミハウが今季も健在だ。ポーランド代表の主将を務めるクビアクは、身長192センチと世界的に見れば上背はないが、それを補って余りあるテクニックとアイデアで流れを引き寄せる。まさに技の宝庫で、彼の技術やアイデアをチームメイトが吸収することで、パナソニックは強さを増してきた。今季は台湾出身のアウトサイドヒッター劉鴻敏も獲得したが、まだ出場機会はわずか。レギュラー陣に疲労がたまる後半戦での活躍に期待がかかる。




 現在2敗で、この2チームを追っているのが3位のJTサンダーズ広島だ。オーストラリア代表オポジットのエドガー,トーマスは、JT広島3年目の今季も変わらず頼れる得点源となっている。それに加えて、今年は昨季パナソニックに所属した台湾出身の陳建禎を獲得。パナソニックでは主にオポジットとして二枚替えで起用されていたが、今季はアウトサイドでプレーし、サーブレシーブ成功率4位、アタック決定率(バックアタックを含む)5位と、攻守両面で高い数字を残しチームの安定感を向上させている。

 


 9勝3敗で4位のサントリーサンバーズは、在籍2シーズン目を迎えた身長218センチのロシア代表ムセルスキー,ドミトリーが異次元の高さから得点を重ねている。現在アタック決定本数は1位(JT広島のエドガーと同数)だが、まだ余力を残している雰囲気がある。昨季は後半、怪我で一時期離脱したが、今季は後半戦にギアを上げてきそうだ。また、今季はアジア枠で中国代表主将の季道帥を獲得し、開幕からアウトサイドのレギュラーとして起用している。サーブレシーブの安定感には欠けるが、スパイク、ブロック、サーブはよく、特にサーブ好調時は勝利を大きく引き寄せる力がある。

 


 先週7位から5位に浮上した東レアローズは、昨季と同じく元フランス代表のルジェ,アントニンがオポジットを務める。大砲というタイプではないが、東レの速い攻撃スタイルにはフィットしている。昨季、特にファイナル6で爆発力を発揮し、ファイナル3進出の原動力となったミャンマー出身のアウン,トゥは、今季は12月中旬からの合流予定。彼の合流を機に、一気に巻き返したいところだ。




 6位のウルフドッグス名古屋は、先週、東レ、FC東京に敗れて5連敗と苦しんでいる。長年大黒柱としてチームを支えたイゴール,オムルチェンが、昨季限りで退団。今季は新たにスロベニア出身のガスパリーニ,ミティアを迎え、攻撃のスピードアップなど新しいスタイルにチャレンジしてきたが、まだそれが結果につながっていない。今季はアジア枠で劉鴻杰(パナソニック劉鴻敏の双子の弟)も獲得した。身長は190センチとミドルブロッカーとして上背はないが、ブロック決定本数3位と健闘しており、後半戦のキーマンとなるかもしれない。

 


 7位の堺ブレイザーズは、5位・東レ、6位・WD名古屋を1勝差で追いかける。今季加入したプエルトリコ出身のオポジット、モーリス,トーレスは爆発力を秘めているが、前半戦はいい時と悪い時の波が大きかった。その波が少なくなり安定感が増せば、チームも浮上の可能性が大きくなる。




 今季、V1昇格後で初のシーズン2勝目を挙げた8位のVC長野トライデンツは、得点力のあるポーランド出身のオポジット、ストレジェク,パトリックが今季加入し、ブレイクを奪うパターンを構築できたことが大きい。




 同じく2勝で追う9位のFC東京は、今季、セルビア出身のオポジット、プレモビッチ,ピーターが加入した。1レグはセット終盤にミスが出て競り負ける展開が多く、1勝を挙げるまで苦労したが、プレモビッチに徐々に安定感が出てきており、12月8日のWD名古屋戦では57.4%という高いアタック決定率でフルセットの勝利に貢献した。




 10位の大分三好ヴァイセアドラーは、当初、ブロック力のあるムタバジ,エビスを獲得したが、負傷により離脱することになったため、昨季まで在籍したヤカン,グマと再び契約。シーズン途中に合流した。また、フィリピン出身のバグナス,ブライアンは試合ごとにV.LEAGUEのレベルに順応し、攻守ともに著しい成長を見せている。昨季の東レのアウン,トゥのように、後半戦で大化けし、チームを浮上に導く可能性もある。

 


 来年1月には東京オリンピックの大陸予選が行われるため、今後、一時的にV.LEAGUEを離れる外国籍選手も出てくる。それが各チームの戦いにどのような影響を与えるのかという点にも注目だ。


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