<今週のみどころ> 第1戦は久光製薬が先制!東レは最終決戦で逆襲なるか
新生V.LEAGUEの初代女王の座を懸けた最終決戦は、V・レギュラーラウンドとV・ファイナルステージを堂々の1位で通過した久光製薬スプリングスと、V・ファイナルステージで一気に駆け上がってきた東レアローズとの一戦に。
V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)のV・ファイナルステージ ファイナルは先週4月6日、愛知を舞台に第1戦が行われた。
同じ対戦カードだったシーズン開幕戦では、経験値に勝る久光製薬を前に、浮き足立った東レが自らのミスにが重なり敗北を喫した。その後、幾多の戦いを乗り越え調子を上げてきた東レだが、ここにきて久光製薬が勝負強さを見せつけた。久光製薬は、試合開始時から新鍋理沙や石井優希を中心に堅固な守備から決定力の高い攻撃を繰り出した。そして、V・ファイナルステージに入ってから、キャプテン岩坂名奈を筆頭に選手たちが口にしてきた「出だしが課題、セットの入り方を大事にしたい」という言葉を選手たちがしっかりと遂行した。
対する東レは、ルーキー関菜々巳のこれまでに見せていた躍動感あふれるトスアップがやや鳴りを潜めた。久光製薬のサーブにも受身になり、本来の攻撃を展開できず、苦しんだ。
結果、試合の流れを掌握した久光製薬がストレート勝ち。試合後、石井は「各セットとも出だしのいいリズムのままで勝ちきれたのはよかった」と語った。第1戦を先制し、8シーズン連続のファイナリストとして堂々たる戦いぶりを見せた久光製薬が、女王の座を視界に捉えた。
とはいえ、東レもこのまま引き下がることはないだろう。初戦では第2セット途中からコートに立った内定選手の石川真佑が持ち味であるパワフルなスパイクで存在感を放った。第3セットでは先発出場を果たすなど、ファイナルでのジョーカーになりうる可能性は十分にある。また、試合を重ねるにつれて決定力が増したクラン,ヤナと黒後愛、両エースの爆発にも期待せずにはいられない。第2戦で持ち直して勝利すれば、決着は最後の1セット・ゴールデンセットに持ち越される。そうなれば、ファイナル3でゴールデンセットを経験していることも好材料となるだろう。
“絶対女王の久光製薬”がその座を揺るがぬものにするか、“執粘の東レ”がシーズン最後に最大の下克上を起こすか。新生V.LEAGUE最終戦まで見逃せない。