<今週のみどころ>ついにクライマックス!初代王者に輝くのはパナソニックかJTか
2018年10月26日に開幕した2018-19 V.LEAGUE DIVISION1 MEN(V1男子)は、いよいよ今週末の4月14日にグランドファイナルを迎える。約半年間に渡って繰り広げられた戦いの真の王者に輝くのは、パナソニックパンサーズか、それともJTサンダーズか。
先週行われたファイナル第1戦は、王者を決める戦いにふさわしい見ごたえのある大熱戦となった。第1セットは、パナソニックがスタートで出遅れたが、後半逆転して先取した。第2、3セットはJTが連取し、第4セットもJTが抜け出すかに見えたが、終盤、パナソニックはクビアク,ミハウや大竹壱青のジャンプサーブが火を吹き、デュースの接戦をものにしフルセットに持ち込んだ。第5セットもJTが8-4と先行するが、そこからパナソニックが反撃し、久原翼のブロックポイントなどで追いつくと、最後はクビアクがJTのオポジット・エドガー,トーマスをシャットアウトしてゲームセット。パナソニックが連覇へ王手をかけた。
パナソニックの司令塔・深津英臣が試合後に、「今日の試合はなぜ自分たちが勝ったのかわからない」と語ったように、試合の多くの時間帯でJTが主導権を握っていた。総得点はパナソニックの114点に対しJTが117点で上回っており、スパイク決定率もJTが上。ブロックに至っては、パナソニックが13本なのに対し、JTは22本と、1セット分近くブロックで点数を稼いでいる。一方で、JTの山本将平主将がポイントに挙げていたサーブとサーブレシーブでは、パナソニックがエースを8本奪った。JTは第4セット後半や第5セット後半、勝利を手にしかけたところでミスが多く出てしまったことが勝敗に響いてしまった。
JTのヴコヴィッチ,ヴェセリン監督は、「経験不足から勝ち急いだところがあって、そうしたミスの多さにつながったのではないか」と悔やんだ。ミドルブロッカーの安永拓弥は、「勝てるチャンスがあった試合だったので、そこで勝ちきれなかったのが本当に悔しい」と語った。ただ、試合後のJTの選手たちの表情は、ファイナル6のパナソニック戦で一方的に敗れた時とは違い、悔しさとともにパナソニックを追いつめた自信も漂わせていた。この悔しさと自信は必ず第2戦につながるはずだ。
一方、勝ったパナソニックにも有利になったという感覚はない。キャプテンの深津(英)は、「勝ったけれど、今日の試合で『あ、パナソニック強いな』と思わせられたかというと、それはできなかったと思う。逆に『全然いけるぞ』と思わせてしまったかもしれない」と危機感を持って第2戦を見据えた。
1つのプレー、1つのミスが勝敗を分ける。それがファイナルの怖さであり、醍醐味でもある。勝負所でのミスに泣いたJTは、第2戦でどのように立て直してくるのか。第1戦では、スタートで主力の調子が上がらず序盤先行を許したパナソニックだが、第2戦では同じ過ちをおかさないだろう。
より精度を増した両チームによる、王者をかけた最終決戦。そこにどんなドラマが待っているのか、必見だ。