コラム

【V1女子】今週の見どころ(12/7-8)

<今週の見どころ>

 2019-20 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)は『プレミア』と『スター』の両カンファレンスのチームが互いにぶつかりあう交流戦が展開中。今週末は7日、8日とも3会場(金沢市、加古川市、岡山市)でいずれも2試合ずつが行われる。
 
 現在、交流戦は2週を終えて、スターカンファレンスが計14勝、プレミアカンファレンスは計10勝となっている。
 スターカンファレンスの特徴として見られるのは、大型の外国籍アタッカーが備えたチームが多いということ。カンファレンス別の総得点ランキングを見れば、上位5名に外国籍選手の名前がずらりと並んでいる。 

 総得点267得点でトップに立つのは、トヨタ車体クインシーズのアウトサイドヒッター、オズソイ,ネリマン。トルコ代表経験もあり、ミドルブロッカーの荒木絵里香とともに、その豊富な経験を生かしてチームを支える。トヨタ車体の在籍は3シーズン目となり、仲間からの信頼も厚い。




 総得点ランキングで2位のリー,シモーン、3位のドルーズ,アンドレアは、ともにアメリカ代表経験者。アウトサイドヒッターのシモーンは今季からKUROBEアクアフェアリーズに加入し、ポイントゲッターとして活躍を見せている。先週11月30日の久光製薬スプリングス戦では両チーム通じて最多の31得点を叩き出した。



 また、ドルーズは2019年の代表シーズンでブレイクした選手の一人であり、アメリカ代表の一員として臨んだネーションズリーグ2019ではMVPに、ワールドカップバレーではベストオポジットに輝いた実績を持つ。JTには開幕直前に合流したが、試合を重ねるごとに若手セッター籾井あきとのトスも合い、サウスポーから放たれる強烈なスパイクで得点を重ねている。
 
 得点ランキング4位は東レアローズのクラン,ヤナ、5位は埼玉上尾メディックスのシュシュニャル,カタリナで、どちらも在籍2シーズン目。クランは開幕からヤングアタッカー石川真佑とともに、得点を量産。また、シュシュニャルはその豪快なスパイクで、現在5連勝と波に乗るチームをリードしている。

  

 PFUブルーキャッツのミドルブロッカー、ドリス,ジェニファーは総得点こそ107得点で12位だが、アタック決定率(バックアタック含む)は47.3%でランキングトップの数字をマーク。要所できっちりと得点するあたり、在籍シーズン最年長外国籍プレーヤーの存在感といえるだろう。





  対するプレミアカンファレンスはミドルブロッカーの外国籍選手を獲得、起用しているチームが多い印象だ。
 開幕から9連勝と破竹の勢いを見せたデンソーは、シニアード,ジャックが攻守の大黒柱。アタック決定率(バックアタック含む)54.7%、ブロック決定本数(1セットあたり)の1.12本、はいずれもカンファレンス内の個人ランキングトップの数字だ。今週末は現在2連勝中のPFUや、攻撃力の高さが光る東レとの対戦があり、攻守両面でシニアードにかかる期待は大きい。



 ブロック決定本数(1セットあたり)で2位につけるクラウジノ,ファビアナは今季から久光製薬スプリングスに加入したミドルブロッカー。ブラジル代表として、2012年ロンドン大会、2016年リオデジャネイロ大会と2度のオリンピックで金メダルを獲得した実績があり、そのリーダーシップでここまで苦しい状況が続く久光製薬の救い手となれるか。


 
 日立リヴァーレに新加入のタップ,ハンナも持ち前のブロック力を徐々に発揮。センターエリアからの攻撃を積極的に繰り出すセッター佐藤美弥とのコンビが合えば、さらなる活躍を見せることだろう。今週末は7日にJTとの対戦を控えており、相手のドルーズの強打をはね返すことができるか注目だ。
 


 その一方で、サイドアタッカーを補強したのはNECレッドロケッツとヴィクトリーナ姫路。NECのトムシャ,ベレニカはポーランド代表経験のあるアタッカーで、交流戦からはオポジットとしての起用も。金子隆行監督が話すに、スターカンファレンスの大型アタッカーたちへのブロック対策が狙いにあるのだという。こちらも7日はクランという大砲を備える東レと対戦するため、その効果を確かめるには打ってつけだろう。

 姫路のイブラ,マナはV1初挑戦のチームにとって頼もしい存在で、高さとパワーを生かした攻撃で、金杉由香貞包里穂らとともに勝利を呼び込まんと奮闘を見せている。

    

 
 なお、V1女子で岡山シーガルズだけが、外国籍選手の所属はないが、今シーズンは5連勝をマークするなど、現在2位につけている。

 

 V1男子では多く見られる『アジア枠』による外国籍選手も、V1女子では例が少ない。その中でも埼玉上尾のサンティアゴ,アライジャダフニや、KUROBEのマナバット,アレオナ デニス,JTのカムンタラー,ケオカラヤーたちは在籍2シーズン目となり、試合におけるアクセントとして存在感も放つ。また、デンソーのジャン,ティタントゥイーや、PFUのスークソッド,タナッチャら今季新加入選手たちも出場機会を与えられている。

  


 毎週末にゲームが実施される2019-20シーズンは肉体的にもこれからますますハードなものになると予想されるが、外国籍選手たちの活躍と爆発力が、チームにとって大きな武器となることだろう。

(※文中の数字はいずれも12月1日終了時点)



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