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【V1女子】2019-20シーズンの総括

<今シーズンの総括>

 10月12日(土)に開幕した2019-20 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)は先週1月25日(土)にセミファイナル、翌26日(日)に3位決定戦とファイナルが実施され、閉幕した。
 令和最初の女王の座を射止めたのは、JTマーヴェラス。2010/11V・プレミアリーグ(当時)以来、9シーズンぶり2度目の戴冠となった。

 JTは2017/18シーズンでファイナルの舞台に立ったものの、久光製薬スプリングスに完敗。翌2018-19シーズンはファイナル3で東レアローズに敗れるなど、悔しい経験を重ねてきた。その思いを力に変えたのが今シーズンで、キャプテンの小幡真子を中心に、選手たちは闘志を燃やして戦い続けた。また、外国籍選手としてアメリカ代表のオポジット、ドルーズ,アンドレアが加入し、その力強いスパイクとサーブで何度も勝利を呼び込む。フルセットのもつれたファイナルで見せた、決定力は圧巻だった。

 

 
 JTに敗れた岡山は悲願の初優勝とはならず。それでも今シーズンは堅固なディフェンスシステムを構築し、一方で金田修佳渡邊真恵らアタッカー陣の攻撃力が2013/14シーズン以来となるファイナル進出の原動力となった。

 

 
 3位になった埼玉上尾は2013/14シーズン以来となる、チーム最高成績。昨シーズンからメンバーはそれほど変わっていなかったが、ミドルブロッカーのサンティアゴ,アライジャ ダフニが攻守両面で存在感がアップし、3位決定戦でもその威力を発揮した。

 
 

 その3位決定戦で悔しい結果に終わったのがデンソーエアリービーズ。今シーズンはV・レギュラーラウンドで他を圧倒したが、セミファイナルで岡山に粘り負け。鍋谷友理枝を筆頭とするベテラン選手の経験と、工藤嶺中元南たち若手選手の勢いが武器だったが、タイトル争いを制するまでの勝負強さは備わっていなかった。
 
 
 

 ファイナル8で涙を飲んだのは、5位のトヨタ車体クインシーズ、6位の東レアローズ、7位の久光製薬スプリングス、8位のNECレッドロケッツの4チーム。

 トヨタ車体はV・レギュラーラウンドにおけるフルセットの試合の勝率は高かったが、ファイナル8では3試合のうちフルセットの末の黒星は2つ。得点王に輝いたオズソイ,ネリマンや、ベスト6に選出された荒木絵里香の存在感は健在で、今季活躍が見られた薮田美穂子内瀬戸真実らのさらなる奮起が躍進の鍵をにぎることだろう。

 
 

 東レは新人賞の石川真佑が攻撃面で、クラン,ヤナとともにチームを牽引。しかし、ファイナル8の最終戦で勝てばセミファイナル進出が決まるデンソーとの直接対決で黒星。サーブレシーブで崩され状況を好転させることができず。怪我でシーズンを出遅れた黒後愛は、リーグ中盤以降でコートに立ったものの、最後は涙した。

 
 

 久光製薬スプリングスはリーグ連覇を目指したものの、今シーズンは不安定な戦いが最後まで続いた。ファイナル8では2連敗を喫したが、最後のトヨタ車体戦で石井優希井上愛里沙の両エースがともに20得点越えのパフォーマンスを見せ、白星で締めくくった。

 

 NECはファイナル8で3連敗を喫し、シーズンを終了。終盤には成長株の山田二千華曽我啓菜の負傷離脱も少なからず痛かったか。それでも、澤田由佳古谷ちなみといった若手選手たちが持ち味を発揮する場面もあり、来季に向けての光明を見出せた。

 

 チャレンジ4へと進んだものの、V1残留を確定させたのは9位の日立リヴァーレと10位のKUROBEアクアフェアリーズ。日立はV・レギュラーラウンド中盤で6連敗を喫するなど、黒星が先行する戦いとなったが、今季新加入でブロック賞に輝いたタップ,ハンナが前衛で存在感を発揮。長内美和子上坂瑠子らヤングアタッカーたちが攻守で奮闘を見せる姿が印象的だった。

 

 KUROBEはV・レギュラーラウンド スターカンファレンスを最下位の成績で終えたが、チャレンジ4でPFUブルーキャッツとのフルセットを制した1勝が大きかった。その試合ではリー,シモーンが両チーム通じて36得点、間橋香織も19得点と続き、新加入選手が務めを果たした。

   


 対するPFUは堀口あやか津賀菜緒の両ポイントゲッターがシーズンを通して奮闘を見せたものの、チャレンジ4のKUROBE戦での黒星が響き、11位に沈んだ。

 


 今季V1初挑戦となった姫路もV・レギュラーラウンドでは久光製薬から白星をあげるなど健闘したが、結果的に最下位。V・チャレンジマッチで、2019-20 V.LEAGUE DIVISION2 WOMENを制した群馬銀行グリーンウイングスとの対戦が決まり、そこで最後の生き残りを懸ける。





 今季のV.LEAGUEは、前年度のファイナリストがファイナル8敗退に終わり、セミファイナルに進出した4チームのうち3チームが優勝未経験だったことから、令和時代の幕開けを象徴するかのような結果となった。今季飛躍を遂げたチームがさらなるステップアップを果たすか、それとも、これまでにタイトルを獲得してきたチームが逆襲を見せるか、来シーズンの戦いが早くも待ち遠しい。


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